こんにちは(^^)/
少しずつですが、朝が涼しくなってきました。今日は車のエアコンはOFFにして、自然の風を気持ちよく感じながら出勤しました。日中はまだまだ暑いですね。
さて昨日は大垣市民会館の方で、年1回の「安全運転管理者講習」を受講しました。その中で一番印象に残ったことを書きたいと思います。
午後からの講師で、交通アナリストの信田先生のお話の中で出た、「安心リスク」という言葉。20世紀は「安全を求める世紀」でしたが、21世紀は「安全+安心を求める世紀」と言われてるそうですが、その安心にリスクとは何なのか?
信田先生は、「安心教育は逆に事故を増加させる要因になる」と言われました。事例として2件の検証データをお話されました。
1つは、大型車両が左折時に後輪で自転車・歩行者を巻き込む事故が多発して社会問題にまで発展したときに、サイドガードの取付などの安全対策がされて徐々に減少したそうですが、逆にドライバーが巻き込みが防止できたと安心感を持ってしまい、注意が疎かになった結果、また事故が多発している状況だそうです。
もう一つは、結構前の事だと思いますが、タクシー業界が追突防止のためにABS(アンチロックブレーキシステム)車の導入を検討して、現状の車両とABS車両との効果をタコグラフ検証したそうですが、ABS車両のドライバーは、急ブレーキを踏んでもタイヤがロックしないので、危険回避ができると安心感を持ってしまった結果、ABS未装備車両のドライバーよりスピードが10km/hアップで走行してしまう結果が出たそうです。
これは指導側が「○○が付いたから安心して運転してください」みたいな事を言った結果、ドライバーは「じゃあそこは心配しなくてもいいんだ」と安心=注意しなくても大丈夫ととらえてしまったからだと考えられます。
安心とは字のごとく、心配や不安がなく、心が安らぐことであって、「安全」ではありません。物事には必ずリスク(予測して対処できるもの)とハザード(予測・対処が難しいもの)があります。これからも開発されるであろう便利な機能や物は、その中で自分が行動するにあたって抱く不安を解消するためのアイテムであり、頼るものではないと指導や理解をしなければ安全を得ることはできないと思います。
事故が起きれば、同じ過ちを犯さない対策をしなければいけません。しかし行き過ぎた対策は、ハザードだけでなくリスクまでも排除してしまい、危機意識が薄れるだけで事故の撲滅にはつながりにくいと考えます。起きた事故に対して冷静に分析して、危険要因を「ハザード」と「リスク」とに分けて、ハザードをうまく排除した対策を考え、リスクを教育して正しく理解していただく事が、求める「安全+安心の世紀」になるのではないでしょうか。